閑休茶話 スサノオとニギハヤヒという親子の最高神という概念を比較神話学で見ると特異なのか?(5)

パラオ神話  巨大シャコ貝とウアブ

パラオ神話ではパラオ諸島は巨大シャコ貝から誕生したウアブがアンガウルで育ち、子供の姿のままみるみるうちに巨大化しそれを恐れた島民が焼き殺してしまい、前進に炎をウアブはアンガウル以北に倒れ込んだ。そのとき飛び散った体のあちこちがペリリューからロックアイランドの数々の島となり、上半身と頭はバベルダオブ(パラオ本島)に姿を変えたと伝わっている。

インド神話   ヴィシュヌ神とブラフマー神

この宇宙がまだ始まる前のこと。宇宙には何もなくただ一つの海だけがあった。このとき、ヴィシュヌ神は千の頭を持つアナンタという竜を船代わりにして、その上で眠っていた。やがてヴィシュヌのへそから一本の蓮の花が咲き、その花からブラフマー神が生まれる。このブラフマー神が宇宙のすべてを創造するのである。

ブラフマーはしばしば宇宙と様々な生物の創造主であると語られる。しかし一方で、いくつかのプラーナではヴィシュヌの臍から生える蓮から生まれたとされている。

インドの宇宙進化論にはサルガ(最初の創造)とヴィサルガ(第二の創造)という考え方が存在する。これはインド哲学の持つ2つの現実、すなわち普遍的、形而上的な現実と常に変化する認識可能な現実というコンセプトに関係している。そして後者は際限なく循環を繰り返しているとされ、すなわち我々の認識する宇宙、生命は継続的に創造され、進化し、霧消してそしてまた創造される。

ブラフマーは第二の創造者であると考えられている。

ヴィシュヌ派の創世神話によると、宇宙が出来る前にヴィシュヌは竜王アナンタの上に横になっており、ヴィシュヌのへそから、蓮の花が伸びて行きそこに創造神ブラフマーが生まれ、ブラフマーの額から破壊神シヴァが生まれたとされている。

創造神であるブラフマーが生み出した世界を、ヴィシュヌ神が維持し、寿命が尽きた世界は破壊神であるシヴァが「解体」する。

私が恣意的に集めたせいかもしれないが、この世界は一神教ならぬ二神教が溢れている。当の私も今この記事を書くまでこの事実に気づいていなかった。実に面白い。なぜ世界は二神教で溢れているのかと言うテーマは今の私にはあまりにも大きくて重すぎるような気がする。いつか気が向いたら取り組んでみよう。今はそれは置いておいて、とにもかくにも言える事は日本の原初に近い信仰ではスサノオとニギハヤヒという親子の最高神がいた。この信仰どこから発生したものなのか現時点では不明であるが、比較神話学の観点からすると、特段特別でもないごく自然な信仰の形であることがわかる。

何を研究しても思うのだが、人類はかつて共通認識プロトタイプを持っていたのではないだろうか?例えば共通言語を持つ人つの強大な一族が分化して現生人類が発生したのではないかと思ってしまう。そこまでいくとSFだが、ミトコンドリアの解析から人類の祖先はアフリカ生まれの1人の女性にさかのぼると言われている。となればこの壮大な妄想も、あながち的外れではないのかもしれない。

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