うっすら見えてきた物部氏の正体、スサノオは物部氏である。

記紀や大和の神社伝承の須佐之男には 、剣のイメ ージが付いてまわっている 。書紀では 、須佐之男が八岐大蛇の尾から取り出した剣を 、熱田神宮が神宝とする草薙の剣だとし 、大蛇を切った十握の剣は 、大和の石上神宮もしくは同じ物部一族の祀る備前国石上布都之魂神社の神宝であると記述する 。また石上神宮の境内社 、出雲健雄神社の祭神は 、草薙の剣の御霊とされている 。スサノオには剣のイメージがついてまわり、剣を最も熱心に奉じる氏族は物部氏である。

スサノオと大国主の神話にはスサノオの持ち物として蛇の比礼や蜂の比礼が登場する。これは物部氏の神宝である十種神宝であると思われる。十種神宝は鏡2種、剣1種、玉4種、比礼(女性が、首に掛けて、結ばずに、左右から同じ長さで前に垂らすスカーフ様のもの)3種からなる。また、この十種神宝こそが3種の神器そのものなのではないかと言う説もある。いずれにしろ鏡、剣、玉を1セットにして祭る信仰形態は物部氏によって始められたものと思われる。つまり天皇家の祭祀の原点は物部氏にあることになる。十種神宝は沖津鏡(おきつかがみ)、辺津鏡(へつかがみ)、八握剣(やつかのつるぎ)、生玉(いくたま)、死返玉(まかるかへしのたま)、足玉(たるたま)、道返玉(ちかへしのたま)、蛇比礼(おろちのひれ)、蜂比礼(はちのひれ)、品物之比礼(くさぐさのもののひれ)である。

スサノオは十種神宝を持っていたという事は物部氏であり、しかも物部氏の中でも大王的な立場のものであったと推察される。

スサノオの正体を探索する中で最も悩まされたのがスサノオを神社があまりにも多すぎることである。この事実に着目し、独自の調査と分析によって注目を集めた人物が小林一葉氏である。彼女の著作、消された覇王は独自の観察眼と女性ならではの感性で書かれた問題作で、この本を引用する研究者はとても多い。私のような市井の研究者のお手本のような形である。消された覇王から引用する。

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